第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に参加するため横浜市を訪れた国連のグテーレス事務総長は21日、記者会見を開き「日本は平和のリーダーだ」と述べ、これまでの日本のアフリカへの支援や、世界で起きている紛争への対応を評価した。
会見冒頭で「今月は広島と長崎の惨劇から80年を迎える節目であり、日本国民が平和と軍縮に対する永続的な取り組みを再確認するとき」と説明。パレスチナ自治区ガザでの戦闘をめぐっては改めて「直ちに停戦に至ることが必要だ」と訴えた。
グテーレス氏は「日本は平和の使者としての役割を果たしている」と強調。一方、国連安全保障理事会は「地政学的対立によって必要な合意を見いだせていない」とも語った。
日本政府は今回のTICADで「インド洋・アフリカ経済圏イニシアチブ」を打ち出し、すでに日本企業が根を張るインドや中東諸国から、アフリカ進出へと視野を広げる姿勢を示した。グテーレス氏は「アジア諸国の成長率を見ると、開発と協力のチャンスがたくさんある」と話し、「日本がアフリカ大陸とインド太平洋の他の国々との協力の重要性を強調するのはごく当然のことだ」と述べた。